著者
河村茂雄 武蔵由佳
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-9, 2016

学習集団(学級集団)における協同学習成立の最低条件と考えられる「ルールの共有」と「親和的な人間関係の確立」という2つの条件を満たしている学級の出現率,および文部科学省(2012)が問題として取り上げている教員主導の知識伝達型の一方向的な授業の展開が行われている学級の出現率について調査した。結果,小学校で2条件を満たしているのは「親和的でまとまりのある学級集団(満足型)」で10学級(32%),教員主導の知識伝達型の一方向的な授業の展開が行われている学級は「かたさのみられる学級集団(かたさ型)」で5学級(16%)であった。さらに,抽出した学級に対して一定期間の授業を中心とした終日の学級観察を行い,その特性を整理し,児童たちの学習意欲を調査し,比較した。結果,「 親和的でまとまりのある学級集団(満足型)」の中でも,協同学習の取り組みと教員による自律性支援の教授行動が高い学級において,児童の学習意欲を高めることに寄与する可能性が考えられることが明らかになった。

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