著者
石黒 康夫
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.56-67, 2010 (Released:2019-02-16)

本研究は,応用行動分析学を用いた学校における秩序回復プログラムの開発を目的としたものである。 この方法は,生徒の期待される行動を増加させることで,生徒の問題行動を減少させている。本研究は, ある公立中学校の秩序を回復するために実施された。対象校には,発達障がいがある生徒が多く在籍して いた。そして,発達障がいがある生徒の問題行動により学校の秩序が乱れていた。本研究を実施した結果,(a) 問題行動の数が減少し,(b)問題行動の程度が高いものから低いものに変化した。
著者
煙山 千尋 小川 千里
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-21, 2021 (Released:2021-09-27)

本研究の目的は,大学生アスリートの家族・家族的関係にある者への心理的依存尺度を作成し,スポーツ推薦入学経験の有無による依存性得点の違いを検討することであった。調査は,4年制体育系大学に所属する大学生アスリート311名(男性=202,女性=108,不明=1,平均年齢=19.59,SD=0.76)に対して実施され,対象者の属性,大学生アスリート版依存性測定尺度の原案,依存性についての測定尺度について回答を求めた。分析の結果,信頼性と妥当性のある4因子28項目の大学生アスリート版家族ら関係依存性測定尺度が開発された。また,スポーツ推薦群が一般学生群と比較して全ての依存性得点が有意に高い結果が認められた。これらの結果から,トップ・アスリートにおいて,選手と親や指導者との根深い依存関係が維持され,自立が先送りにされている可能性が高い。そのため,親や指導者との関係を再構築し,アスリートの主体性を育む支援が必須であると考えられる。
著者
煙山 千尋 小川 千里
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.13-21, 2021

本研究の目的は,大学生アスリートの家族・家族的関係にある者への心理的依存尺度を作成し,スポーツ推薦入学経験の有無による依存性得点の違いを検討することであった。調査は,4年制体育系大学に所属する大学生アスリート311名(男性=202,女性=108,不明=1,平均年齢=19.59,SD=0.76)に対して実施され,対象者の属性,大学生アスリート版依存性測定尺度の原案,依存性についての測定尺度について回答を求めた。分析の結果,信頼性と妥当性のある4因子28項目の大学生アスリート版家族ら関係依存性測定尺度が開発された。また,スポーツ推薦群が一般学生群と比較して全ての依存性得点が有意に高い結果が認められた。これらの結果から,トップ・アスリートにおいて,選手と親や指導者との根深い依存関係が維持され,自立が先送りにされている可能性が高い。そのため,親や指導者との関係を再構築し,アスリートの主体性を育む支援が必須であると考えられる。
著者
古角 好美
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.31-39, 2020

本研究の目的は,2年間にわたり「学校保健論」を受講するA大学保健医療学部看護学生を対象に「LTD(Learning Through Discussion)話し合い学習法」を試行し,その効果を多角的に検討することであった。専門教育科目の「学校保健論」を選択した受講生を対象に小集団による「LTD話し合い学習法」を2ヶ年(2016年度43名,2017年度44名,延べ87名)にわたり実施した。教育効果検証のために,3回の時期(事前・事後・追跡)を設定した質問紙調査を行った。その結果,①ディスカッション・スキル,②協同効用,③コミュニケーション・スキル,④自尊感情において,事前に比べ事後の得点が有意に高く,追跡においてもその効果を維持している可能性が示された。さらに多角的な効果を検討するため,3回の時期と2群(高・低)を組み合わせた分析を行ったところ,低群においては,②協同効用と④自尊感情が事前に比べ事後の得点が高く,追跡でも持続している可能性が示唆された。
著者
松野真
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-11, 2017 (Released:2018-09-25)

本研究は,デートDVの加害経験と被害経験の双方向性の視点から,デートDV加害者の特徴について男 女別に明らかにし,デートDV加害者教育プログラム作成の示唆を得ることを目的とした。男女交際の経験 ある大学生203名(男性94名,女性109名)を実施後の分析対象に,加害・被害経験頻度質問紙,加害認知度 (パートナーを傷つける度合い)質問紙,パートナーとの望ましい付き合い方質問紙,パートナーとの実際 の付き合い質問紙,dating violenceイメージ調査票を実施した。その結果,以下のことがわかった。(1)加害 経験と被害経験が高い群と加害経験が高く被害経験が低い群(加害高2群)では,男女ともに人数割合は同程 度であり,配偶者間のDVとは異なること,(2)加害高2群では,男女共通して同じ特徴がみられたほか,男 性のみの特徴や女性のみの特徴がみられた。上記の結果から,今後のデートDV加害者教育プログラムの作 成に向けた具体的な示唆を得ることができた。
著者
四辻 伸吾 水野 治久
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-10, 2020 (Released:2020-05-16)

本研究の目的は,小学生がいじめに対してどのような見方・考え方を持っているかを捉える尺度である 「小学生いじめ観尺度」を作成し,その因子構造,信頼性,妥当性を検討することであった。小学生のいじ めについての考え方に関する質問紙を用いて,小学校4~6年生599名を対象に回答を求めた。探索的因子 分析(最尤法,プロマックス回転)により,「いじめ一定理解」,「いじめ鋭敏感覚」,「いじめ解決可能」の3因 子11項目からなる「小学生いじめ観尺度」が作成された。また,「小学生いじめ観尺度」について信頼性と妥 当性を検証したところ,一定の信頼性と妥当性が確認された。
著者
長谷 紗希 苅間澤 勇人
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.25-33, 2019

特別支援学校において自閉症スペクトラム障害を抱える女子高校生に援助した。援助対象者には不安が高まると,泣いて手の甲を噛んだり,個室に閉じこもったりするなどの行動があった。アセスメントから,適切な対人関係を築くことができないことと,「失敗してはならない」という思い込みがあることが考えられた。そこで対人関係形成にはグループアプローチを用いて,思い込みには論理的思考訓練を用いて援助した。また,学校生活の様子では,不安感情を適切に処理できていなかったので,個別面接を行って不安感情を言語化できるように援助した。その結果,良好な対人関係が形成されて対人場面で自信を回復した。また,「失敗してはならない」という思い込みが軽減された。さらに援助者に不安を話せるようになった。それらに伴って不適切な行動が減少して,トラブルの少ない学校生活を送るようになった。
著者
金山 元春 吉竹 由
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.35-43, 2019

本研究の目的は,教員志望学生を対象とした構成的グループエンカウンター(SGE)に関する研修プログラムを開発し,その効果を検討することであった。研修群(N=42)は12回からなる研修に参加した。研修プログラムの目的はSGEを実践するための知識とスキルを習得させることであった。対照群(N=24)には特別な経験や研修は提供されなかった。研修前後にSGEに関する自己効力感を測定するための質問紙が実施された。その結果,研修群の学生は,対照群の学生と比較して,SGEに関する自己効力感を向上させていたことが明らかとなった。研修のあり方とそれを研究するための方法に関する課題が論じられた。
著者
河村明和
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.11-21, 2016

本研究では,公立中学校の特定の部活動に参加する生徒たちを対象に,部活動の満足度を構成する要因を,調査と一年間の関与観察と聞き取り面接から検討した。部活動集団教育的相互作用得点の「集団凝集性」「斉一性・自治体制」「P機能」「M機能」「愛他性」「集団圧」の向上から,生徒全体の部活動満足度の高まったことが認められた。観察・面接結果から,生徒個々の部活動満足度に影響を与える要因として,①レギュラーポジションの獲得,②キャプテンなどの役割行動の状況,③部内の人間関係,④顧問教員との関係が見出された。以上の結果より,生徒たちの部活動満足度は,先行研究を支持し,1)その部活動が追求する内容に取り組むプロセス,2)部活動における集団体験,以上の2点から構成されることが明らかになった。そして,1)と2)に関して,顧問教員の影響があることが示唆された。
著者
河村茂雄 武蔵由佳
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-9, 2016

学習集団(学級集団)における協同学習成立の最低条件と考えられる「ルールの共有」と「親和的な人間関係の確立」という2つの条件を満たしている学級の出現率,および文部科学省(2012)が問題として取り上げている教員主導の知識伝達型の一方向的な授業の展開が行われている学級の出現率について調査した。結果,小学校で2条件を満たしているのは「親和的でまとまりのある学級集団(満足型)」で10学級(32%),教員主導の知識伝達型の一方向的な授業の展開が行われている学級は「かたさのみられる学級集団(かたさ型)」で5学級(16%)であった。さらに,抽出した学級に対して一定期間の授業を中心とした終日の学級観察を行い,その特性を整理し,児童たちの学習意欲を調査し,比較した。結果,「 親和的でまとまりのある学級集団(満足型)」の中でも,協同学習の取り組みと教員による自律性支援の教授行動が高い学級において,児童の学習意欲を高めることに寄与する可能性が考えられることが明らかになった。