著者
後居 洋介
出版者
ホソカワミクロン株式会社
雑誌
粉砕 (ISSN:04299051)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.39-43, 2018

<p>近年,セルロースの新たな利用方法として,セルロースナノファイバー(CNF)が注目を集めている。CNFはパルプなどのセルロース原料をナノサイズまで細かく解きほぐしたもので,高強度,高弾性率,低線熱膨張係数,高透明性,大比表面積など,多くの特徴を有している。第一工業製薬ではこのCNFを水系の添加剤として研究開発を進めている。CNFは水中でネットワーク構造を形成する。このネットワーク構造に起因して,非常に高い擬塑性流動性などのユニークなレオロジー特性を発現する。さらに,油滴や微粒子などの安定化といった効果も得られる。また,CNFは乾燥させることで高透明性かつ高強度なフィルムを調製することも可能である。当社のCNFは上述のようなレオロジー特性を生かして,水性ゲルインクボールペンインク用増粘剤として採用されている。このボールペンは筆記具として世界初のCNF実用化案件として,各所から注目を集めている。</p>

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編集者: Omotecho
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