著者
吉田 功 広谷 鏡子 広谷 鏡子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.2-19, 2019

「放送のオーラル・ヒストリー」では、オーラル・ヒストリーの研究方法を用いて、放送関係者の証言から放送史をひもとくことを目的にインタビューを実施してきた。今回は、戦後沖縄放送史を取り上げる。戦後、沖縄は、米軍の直接統治下におかれ、日本本土から政治、経済、法制度において完全に切り離され、それは、社会、文化の面にも及んだ。放送史も同様で、成立経緯、様相ともに全く異なっている。放送機能も失われた廃墟の中、米軍によるラジオ放送がゼロから立ち上がり、日米政府や社会の情勢に翻弄されながら確立されていく過程で、その重要な局面に深く関わってきた人がいる。元沖縄放送協会会長・川平朝清(91)である。彼は戦後の沖縄において、放送の立ち上げから本土復帰まで、一貫して放送に関わった稀有の存在である。各局面において放送の当事者のひとりである川平朝清がどう考え、どう行動したのか、そして、行動の背景になにがあったのか、に焦点をあて、沖縄の放送史が立体的に浮かび上がることを目指す。

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