著者
中矢 大輝 遠藤 慎 佐鳥 新 吉田 功 三枝 信 伊藤 那知 加納 正城
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3+, pp.99-101, 2017-05-01 (Released:2017-10-07)

発症初期における大腸癌の識別は,医師による定性的な判断により行われる.本研究では,北里大学の協力のもと,初期の4段階に分類された大腸癌のうち最も識別が困難であるとされる高度異形成と癌細胞の識別をハイパースペクトルカメラにより計測し,機械学習を用いて解析を行った.使用したハイパースペクトルカメラは,北海道衛星株式会社が開発したHSC1702である.分類に用いた手法は,K近傍法,サポートベクターマシーン,ランダムフォレストである.前処理として,細胞核より抽出されたハイパースペクトルデータを主成分分析により次元削減した.第三主成分までを考慮して3手法をトレーニングを行い予測させた結果,1100以上のサンプルに対し,K近傍法では96.0%,サポートベクターマシーンでは98.1%,そしてランダムフォレストでは98.2%の精度を得た.
著者
吉田 功
出版者
島根大学教育学部
雑誌
島根大学教育学部紀要 人文・社会科学 (ISSN:02872501)
巻号頁・発行日
no.3, pp.29-41, 1970-02

「詩は音楽的になり,音楽は詩的になった」とは,ロマン派芸術の特徴として,よくいわれている言葉である。リートは,これらの特徴を端的に表現し,又,これらの特徴を持ち得たロマン主義によって開花した。このリートを分析してみると,今述べてきたような特徴が如何に主な要素として構成されているか,又,これらの要素が詩人や作曲者にどのように把握されているかを知ることができる。又,そうすることによって,ロマン派芸術の一端を見ることができるといえるであろう。この小論は以上のことを中心に,シューマンの歌曲作品,《リーダークライス Op.39》を題材として,詩と音楽を見たものである。又,この小論は前半を,詩人と作曲者の結びつきからみた当作品,後半をこの作品中最も良く知られた《月夜》についての分析という順序で述べることにする。
著者
吉田 功 広谷 鏡子 広谷 鏡子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.2-19, 2019

「放送のオーラル・ヒストリー」では、オーラル・ヒストリーの研究方法を用いて、放送関係者の証言から放送史をひもとくことを目的にインタビューを実施してきた。今回は、戦後沖縄放送史を取り上げる。戦後、沖縄は、米軍の直接統治下におかれ、日本本土から政治、経済、法制度において完全に切り離され、それは、社会、文化の面にも及んだ。放送史も同様で、成立経緯、様相ともに全く異なっている。放送機能も失われた廃墟の中、米軍によるラジオ放送がゼロから立ち上がり、日米政府や社会の情勢に翻弄されながら確立されていく過程で、その重要な局面に深く関わってきた人がいる。元沖縄放送協会会長・川平朝清(91)である。彼は戦後の沖縄において、放送の立ち上げから本土復帰まで、一貫して放送に関わった稀有の存在である。各局面において放送の当事者のひとりである川平朝清がどう考え、どう行動したのか、そして、行動の背景になにがあったのか、に焦点をあて、沖縄の放送史が立体的に浮かび上がることを目指す。
著者
丹波 澄雄 相馬 孝志 吉田 功 横山 隆三
出版者
社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.381-392, 1988-12-30 (Released:2009-12-11)
参考文献数
13

陸奥湾海況自動観測ブイシステムによる実測水温データを用いて,AVHRR水温から推定される海表面温度の精度を調べた。Ch.4及びCh.5の輝度温度の二重回帰式では,標準誤差は0.5℃程度で推定できた。2つのスペクトルバンドを用いることによって,大気効果にともなう誤差は効果的に補正できたが,大気一海面の相互作用による誤差は補正できなかった。現在さらにデータ数を増した場合やCh.5のバンドを有していない偶数号(6,8,10号)のNOAAデータの解析も進行中であり,これらの結果を総括してAVHRRから得られる水温情報の精度の総合評価をおこなう予定である。また大気一海面の相互作用と熱放射との因果関係の解明や測定原理の異なる水温情報の利用及び判読についても,今後の研究に待つところが大きい。本研究に用いたAVHRR画像データは東京大学生産技術研究所より,陸奥湾海況自動観測ブイデータは青森県水産増殖センターより,気象観測記録は青森地方気象台から提供された。ここに各位に対し深謝するものである。なお本研究は文部省科学研究費特定研究(1)「宇宙からのリモートセンシングデータの高次利用に関する研究」(昭和60~62年度)によりおこなわれたものである。
著者
吉田 功 勝枝 嶺雄 大高 成雄 丸山 泰男 岡部 健明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.76, no.11, pp.422-429, 1993-11-25
被引用文献数
13

移動無線用電力増幅器に使用可能な低電圧・高効率のSiパワーMOSFETを開発した.主要な特性改善点は,サブミクロン金属ゲート構造と自己整合ドレーンコンタクト構造との組合せによるオン電圧の低減,遮断周波数の向上,出力容量の低減である.その結果,従来に比べ10%以上の付加効率の向上が図れ,1.5GHzでは出力電力1Wで付加効率60%が得られた.またディジタル変調時の50kHz離調・隣接チャネル漏洩電力50dBc,出力電力0.8Wで付加効率は53%であった.これにより,SiパワーMOSFETがUHF帯において良好な線形電力増幅特性を有することを明らかにした.