著者
松葉佐 正
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.176, 2017

目的 放課後等デイサービスと児童発達支援は、在宅障害児に対する通所支援サービスで、近年多くの事業所が開設されている。それぞれ4カ所ずつの事業所の職員の業務のタイムスタディ調査を行った。うち1カ所の重症心身障害児を受け入れている事業所の結果を示す。 方法 8事業所の職員の毎分の業務を記録者が記録し、業務コード(旧身体障害者療護施設におけるタイムスタディ時のものを転用)に置き換えてEXCELで集計、解析した。 成績 上記の1事業所の11名の利用者のうち、重症心身障害児(以下、重症児)は2名(大島分類1、小学部前半;大島分類2、高等部)、他は、発達障害4名、知的障害3名、ダウン症と脳炎後遺症が各1名であった。重症児への医療的ケアはなかった。事業所のサービス時間は14時から19時(土は9時から18時)、週間スケジュールは、月・木は創作的活動(月:書道、木:絵画、創作活動)、火・水・金は機能訓練(火:音楽、水:リズム体操、金:スポーツ)、土は月〜金の内容を週替わりで行っていた。大島分類1の重症児がある日の放課後等デイサービスで受けたケアは、学校からの迎え、トランスファー、声かけ、手指消毒、おやつ介助、カード遊び、習字の介助、水分補給、トイレ介助、帰り支度、着衣、トランスファー、乗車介助、家庭への送りなどであった。重症児2名とその他9名が1日に受けたケア時間の平均は、それぞれ99.0分と181.4分であった。8施設で比較すると、放課後等デイサービスでは、児童発達支援に比べて行動障害への対応とコミュニケーション、レクリエーションに多くの時間を費やしていた。 結論 1カ所の放課後等デイサービスにおいて、重症心身障害児に対するケアは十分な配慮のもとに行われていたが、他児の多動への対応等に時間を取られることが多く、他児に比べて約1/2のケア時間であった。放課後等デイサービス全体の傾向を知る必要がある。

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