著者
名越 泰秀
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.554-559, 2019

<p>身体症状症および関連症群 (身体表現性障害) の病態は, 薬物療法の観点では, 強迫, 不安・恐怖, 怒りに分類される. </p><p>強迫に対しては, SSRIが有効である. SSRIで効果が不十分な場合は, D<sub>2</sub>受容体への親和性が高い抗精神病薬による増強療法が有効である. 早急な改善が必要な場合は, NaSSAの併用が有用である. </p><p>不安・恐怖に対しては, ベンゾジアゼピン系抗不安薬, SSRIが有効である. 効果が不十分な場合, MARTAなどの抗精神病薬の併用が考えられる. また, 不安や恐怖の中枢である扁桃体の過活動に対するα<sub>2</sub>δリガンドの併用も選択肢の1つになりうる. </p><p>怒りに対しては, 症例によっては抑肝散などの漢方薬やMARTAなどの抗精神病薬の投与を試みてもよいと思われる.</p>

言及状況

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