- 著者
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植山 直人
- 出版者
- 日本医療福祉政策学会
- 雑誌
- 医療福祉政策研究
- 巻号頁・発行日
- vol.3, no.1, pp.49-59, 2020
日本の医師の労働時間は突出して長いが、この長時間労働問題は24時間体制の病院の当直業務との関連性が大きい。過重労働は過労死をはじめメンタル不調・体調不良など深刻な健康被害を引き起こしている。また、長時間労働により医療安全が脅かされているが、この点に関しては厚労省も医療界も何の対策も行っておらず、議論さえもない。厚労省の検討会の報告書は、長時間労働を合法化するものである。まずは、可能な改善策を速やかに実行し、過労死ラインを超えて働く医師を減らす必要がある。しかし、当直等の業務は医師の本来業務でありタスクシフトなどはできないため、根本的な解決には医師をOECD平均並みに増員し、交代制勤務を導入しなければならない。長期的には、箱ものや薬剤にお金をかけ、医師不足や看護師不足などを放置する医療供給体制を変える必要がある。