- 出版者
- 日本重症心身障害学会
- 雑誌
- 日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.2, pp.246, 2018
協力:学校法人文化学園 文化服装学院第44回 日本重症心身障害学会学術集会ファッションショーによせて僕のおしゃれ東部療育センターの来年成人を迎える吉田優希です。僕はおしゃれが大好きです。僕のおしゃれの原点は母で、僕が好きになった物や興味の持ったことには全力でサポートしてくれました。戦隊シリーズや孫悟空、学校でもとことん変身する楽しさを教えてくれました。そしてたくさん誉めてくれました。次は憧れるということです。僕の大好きなアーティストと同じジャージ、同じ衣装を着ることで気持ちもかっこ良くなれる気がします。自分でも少しかっこ良くなって、回りのスタッフが喜んでくれたり、驚いたりされるのもとても楽しくて嬉しくなりました。最後はこだわりを持つということだと思います。僕達は自分でお店に行ったりすることは出来ないのですが、好きな色や好きなスタイルがあります。僕の母は売っていない柄のネクタイを作ってくれたり、スマホでファッションサイトを見せてくれたりします。その中で僕の好きなアイテムを相談して決めています。大人の男になりたい今は、ときどきネクタイをしてスタッフを驚かせたりしてますが、できることなら毎日シャツにネクタイのかっこイイスタイルで毎日を過ごしたいと思っています。センターで過ごすときは、ラフなTシャツなどを着ています。襟元にこだわったりデザインにこだわったりし、サングラスも母との散歩時には必需品なので買い物のときは必ずチェックして買ってしまいます。母は男の子はかっこいい方が素敵だと教えてくれました。高校を卒業してから母に茶髪にしてもらい、いつか金髪かグレイ系にしたいなあといつも母と話しています。障害があるとおしゃれをしない人がたくさんいてびっくりしますが、ちょっとだけこだわったりすると僕達はかっこ良くなります。自分で考えたり悩んだりすると楽しくて、今まで似合わなかったのが似合うようになると欲がでてきます。おしゃれは僕の心も大人にしてくれました。回りのスタッフとのコミニュケーションツールでもあるし、母の支えでもあると言っていました。おしゃれのこだわりは車椅子にも持っていて自分の意思を伝えています。僕はこだわりを持ち、常にかっこ良くなれるように大好きな三代目JSBの今市隆二さんを目指して元気で過ごしていこうと思っています。僕達にとっておしゃれは生きていくために「感性と元気をもらえる素敵なこと」なのです。これからも色んなことを学んでいきたいです。今回、文化服装学院の先生や学生さんが、僕達の気持ちを受け止めてくれて本当に感謝しています。僕達のような障害を持つ仲間は、体つきも健常者とは違っていますし、手足も十分動かすことができないですが、それが僕達のチャームポイントだと思っています。さあ、これからどんなファションショーになるか本当に楽しみです。そして本当に本当にありがとうを心から贈りたいと思います。そして学生さんたちとの出会いを感謝し大切にしたいです。有難う!吉田 優希 母出演予定者(敬称略 50音順) 東京都立東部療育センター 岩瀬雅弘菊池未来佐田晴香内藤奈々山田桃子