- 著者
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溝口 義人
- 出版者
- 日本生物学的精神医学会
- 雑誌
- 日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.1, pp.38-43, 2021
うつ病およびアルツハイマー型認知症(AD)に共通する病態仮説として,神経炎症仮説,BDNF仮説が注目されているが,病態には糖尿病,肥満などの生活習慣病も関与しており,薬物療法以外にも食事,運動,睡眠など日ごろの生活習慣を見直すことが,発症予防や治療において大変重要であると考えられる。また,うつ病およびADの病態にミクログリアの活性化が関与していると示唆されるが,加齢によるミクログリアの老化(microglial senescence)にも着目することが大変重要であり,加齢により低下したミクログリアのアミロイドβ(Amyloid‐β:Aβ)貪食能を高めるなど,残存するミクログリアの機能を保護し,高めることが新規治療標的として重要だと考えられる。