著者
永吉 奈央子 依田 千恵美 徳山 清之 高橋 裕子
出版者
日本禁煙科学会
雑誌
禁煙科学
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.1-5, 2015

<b>要 旨</b><br><b>目的:</b>当院禁煙外来における未成年の現状を評価した。<br><b>対象:</b>2010年9月~2013年8月に当院を受診した未成年者62名(男子46名、女子16名)<br><b>方法:</b>初診時の問診票と診療記録から、受診者の特徴と治療成績を調査した。<br><b>支援方法:</b>3か月間の通院治療を目標とし、ニコチン依存度に応じた薬物療法と行動療法で支援した。<br><b>結果:</b>初診時平均年齢15.1歳、初回喫煙年齢平均12.6歳、常習喫煙年齢平均13.1歳、喫煙本数平均9.8本/日。同居する喫煙者は、なし23名(37.1%)父親20名(32.3%)母親12名(19.4%)両親3名(4.8%)その他4名(6.5%)。受診の主な理由は、自分からやめようと思った39名(62.9%)、学校からの指導37名(59.7%)であった。禁煙動機は、たばこ代がかかる、健康のため、体力のため、などであった。たばこへの気持ちは、やめたい、吸ったことを後悔している、等であった。たばこの入手方法は、先輩、友人がタスポを貸す、親が買ってくれる、お店に買ってくれる大人がいる、であった。<br><b>治療経過:</b>2名(3%)は初診時すでに自力で禁煙しており、3か月の禁煙継続を確認した。5名(8%)は3か月通院を継続し禁煙成功を確認した。36名(58%)は通院を中断し、最終受診時点で9名は禁煙しており27名は禁煙していなかった。19名(31%)は初診以後来院しなかった。<br><b>結語:</b>自ら禁煙を希望した受診者が6割いるにも関わらず、卒煙を確認できた者は1割程度であった。通院が継続できない者が半数認められ、医療機関だけでのフォローは限界があると思われる。社会環境の影響の大きさも伺え、地域、家庭、医療、学校との連携による禁煙支援が必須と思われた。

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