- 著者
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小山 友介
- 出版者
- 日本デジタルゲーム学会
- 雑誌
- デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, no.1, pp.76-84, 2008
本稿では日本のゲーム産業における開発力を測る客観指標の一つとして「タイトルが当初予定日に発売できたかどうか(発売延期率)」に着目し、雑誌『ファミ通』の発売日情報を元に、据置機のドミナントであるプレイステーションとプレイステーション2 (PS 2)のタイトル発売延期率を調査した。得られた結果は、次の通りである。 1)PSとPS 2の発売延期率の変化パターンは類似している。すなわち、発売年より 2年目の方が発売延期率が高く、その後減少する。 2)PS時代の方がPS 2時代より発売延期率が高い。 また、PSとPS2の発売延期率の推移は、自然に接続される。3)PS2では年末年始商戦に発売延期率が有意に増加するが、PSでは逆に有意に低下している。年度末に発売延期率が有意に上昇するのは共通している。これらの調査結果から得られる帰結は、次の 2点である。 1)家庭用ゲーム産業は全体では発売延期を起こさないように学習している、2)しかし、当初発売予定が年末年始だったことの発売延期率への影響がPS時代はマイナスだったのがPS 2時代にはプラスに転じたことから、家庭用ゲーム産薬全体にビジネスとしてのプレッシャ ーが強まっている可能性がある。