著者
金久保 正明
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.1937-1950, 2013-07-15

近年,いわゆる「ことば工学」の一環としてシステムに駄洒落を自動生成させる試みが盛んになり,駄洒落に基づくなぞなぞの生成等,様々な応用のほか,面白い駄洒落を自動的に絞り込む方法等も模索されている.一方,形態素解析では入力文に対して複数の形態素解析結果が得られることがあり,このとき意図されていなかった解析結果は駄洒落として見なすことができる.また,駄洒落と見なせる複数の文の間では,共通する読みの平仮名文字列における双方の単語区切り位置が食い違う場合もあり,これらは意外性の高い駄洒落になると思われる.そこで,本論文では形態素解析を類音に拡張し,文節レベルの変換が可能なシステムを提案する.駄洒落の面白さを高めるため,通俗的な名詞群を基本体言とし,他の単語もそれらと連接する可能性の高いもので揃えた.区切り位置の異なる文が生成されやすくするため,短い単語を増やし,特に文頭,文末に来る読み1字の単語を多く登録するような工夫をしている.詳細な試験評価により,一定レベルの意外性,面白さを有する変換文の生成が確認された.Two different sentences which resemble each other in pronunciation are humourous. Japanese language morphological analysis systems can make two different sentences which have pronunciations which are in step with each other. This paper proposes the generation system of sentences which sound like entered sentences by morphological analysis manner. The proposed system has something low class word database, to generate funny sentences. This paper shows subjects experiments in order to confirm the validity of the proposed system.

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