著者
福本 淳文 山内 利宏
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.1507-1518, 2020-09-15

権限昇格攻撃はシステムの改ざんや情報漏えいにつながる可能性がある.これに対処するために,我々はシステムコールによる権限の変更に着目した権限昇格攻撃防止手法(以降,先行研究の手法)を提案した.しかし,先行研究の手法はOS内で実現されており,導入するために,カーネルソースコードを変更する必要がある.また,先行研究の手法では,変更の検証のために保存したカーネル空間内の権限情報を,攻撃者に改ざんされる可能性がある.本論文では,これらの課題に対処するために,仮想マシンモニタであるKVMを用いて権限昇格攻撃を防止する手法を提案する.提案手法は,ゲストOS上のシステムコール発行をフックし,システムコール処理による権限の変更を検証する.提案手法の実現により,手法の導入にともなうカーネルソースコードの変更が不要となる.また,権限情報をホストOSのメモリ領域に保存することで,権限情報の改ざんが困難となる.本論文では,先行研究の手法の課題を示し,提案手法や評価の結果について述べる.

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