著者
北川 美弥
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.31-33, 2020-04

放牧草地は牧草が生産される畑であるが,野菜等が生産される一般の畑とは異なる点を持つ。例えば,(1)造成後は,長期間耕起されない,(2)家畜が放牧される,(3)地形が複雑,といった点である。このため雑草管理においても,一般の畑とは異なった視点で対応することが求められる。これまで,日本草地学会誌において草地の雑草管理についてさまざまな報告がなされている。しかし近年,専門とする研究者は減少し,報告数も減っている。2019年度日本草地学会広島大会の発表における関連発表は4課題である。一方で,雑草管理に苦慮している牧場・農家は依然として多い。加えて地球温暖化の影響などから各雑草の生育地域に変化が生じているのみならず,新たな雑草の侵入も報告されている。これまでの研究結果をもとに対応することが可能な問題もあるが,現状に即した対応のためには,継続的な研究は不可欠である。そこで,放牧草地における雑草管理について整理を行い,これを通じて今後必要な対応を検討するきっかけとしたい。

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