著者
前野 紀一 成田 英器
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.18-31, 1979-10

日本南極地域観測隊か得た,みずほ基地の雪の密度のデータ数は,第11次,第12次および第13次のものを合計すると3635にのぼる.これらの測定結果を吟味,整理したものを使って「圧縮粘性係数」の深さ分布が求められた.みずほ基地の雪に限らず,一般に極地の雪の圧縮粘性係数は,季節的積雪,たとえば北海道の雪に比べて約100倍大きい.これは,極地における長期間の圧密過程において,氷粒子間の結合が極度に成長したためと解釈されるみずほ基地の雪において,密度の測定値は,深さ約30m〜40mの領域で,大きく振動し,かつ平均的傾向曲線からはずれた.圧縮粘性係数は,この深さ領域で鋭い極大を示した.これらの結果は,この層の雪が蓄積した時,年間蓄積量の少ない寒冷な時期が繰返しかつ持続して襲来したことを示唆する.その時期は,雪の年間蓄積量から約300年前と推定される.

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こんな論文どうですか? 雪の圧縮粘性とその気候学的意味(第1回南極気水圏シンポジウム)(前野 紀一ほか),1979 http://id.CiNii.jp/LrVNE
こんな論文どうですか? 雪の圧縮粘性とその気候学的意味(第1回南極気水圏シンポジウム)(前野 紀一ほか),1979 http://id.CiNii.jp/LrVNE

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