著者
菅野 覚明
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.31-39, 1994-07-10

本居宣長は、政道と和歌を分断することによって、新しい和歌観をうちたてた。逆にさかのぼっていえば、宣長以前、特に中世においては、むしろ政道と和歌の一体性こそが歌の捉え方の基本であった。この一体性を、論理としても、実際の表現活動としても、最もよく体現した代表者として世阿弥を挙げることができる。本稿は、歌論をそのまま曲の主題とした謡曲『高砂』をとりあげ、治世と和歌の連動性の具体相を分析したものである。

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