著者
鉄矢 博子
出版者
和洋女子大学
雑誌
大學紀要. 第2分冊, 家政系編 (ISSN:02893193)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.47-65, 1983-03-31

市販各種甘味料(蜂蜜, 低カロリー甘味料4種 : A-商品名シュガット・B-商品名シュガーカット・C-商品名マービー・D-商品名マイホームシュガー, 虫歯予防用甘味料 : 商品名デンタルシュガー)を砂糖の代りに使用した時, これらの甘味料は砂糖と同様の調理性を示すかを, 卵白の起泡性に対する影響を取り上げ考察した。特にスポンジケーキにおける調理効果について砂糖との比較において検討したところ次の様な結果が得られた。1. 各種甘味料は砂糖と同様, 卵白の起泡に安定性を与えた。更に低カロリー甘味料A・低カロリー甘味料B・低カロリー甘味料Dは砂糖より卵白の起泡性を高める効果がみられた。2. 低カロリー甘味料Dは共立て法の場合は起泡性を著しく低下させた。脂肪による消泡作用を受けやすい様に思われる。3. 共立て法によりスポンジケーキを作成した時, 蜂蜜・虫歯予防用甘味料を用いたスポンジケーキは砂糖のものより表面の焼き色がつきやすく, 仕上り形態はあまり良くない。しか, 味・香は砂糖同様よいものであった。4. 低カロリー甘味料A・低カロリー甘味料B・低カロリー甘味料Cを用いたスポンジケーキは砂糖のものより表面の焼き色がうすいが, 整った形をしており, 外観はよい。味・香はあまり好まれない。5. 低カロリーDを用いたスポンジケーキは他と同様の方法で作成した場合, 良い外観のものは得られなかった。甘味料を小麦粉に混ぜる方法で作成した場合は他の低カロリー甘味料と同様の外観を得ることが出来た。しかし, いずれにしても味・香はあまり好まれない。6. 甘味料を用いずに作成したスポンジケーキは官能的に最も好まれなかった。このことから, 各種甘味料は砂糖と同様スポンジケーキの品質向上に何らかの効果を与えていることが明らかとなった。7. 低カロリー甘味料を用いたスポンジケーキは, 砂糖と同程度の甘味になるように各甘味料を使用する場合は, 保存性の低いことが観察された。

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こんな論文どうですか? 砂糖と各種甘味料に関する研究 : メレンゲとスポンジケーキに及ぼす影響,1983 http://ci.nii.ac.jp/naid/40003933963

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