著者
松下 真実子 宮川 豊美 川村 一男
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学大学紀要 (ISSN:02893193)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.p1-15, 1983-03

The authors noted the chage of tastes after cleaning teeth, and researched the change of the taste threshold after cleaning with toothcream and the effects of each component of the toothcream; the effects of surfactants which had been added to toothcream for 20 years or more were also discussed. The results are reported here. 1. The thresholds (special thresholds) of four fundamental tastes of sweet, salty, sour, and bitter in the test group were almost similar to those which were reported 40 years ago. Therefore, the difference in the taste thresholds by age was not observed. It indicated that the surfactants added to toothcream for a long time did not affect the tastes. 2. PH of the saliva not affected by cleaning of teeth. 3. Tastes of sweet and bitter were delayed to be differentiated after cleaning of teeth, but the sour taste was not affected. 4. The tastes which were affected by intraoral stimulation by commercially available "toothcream" and the mixture solution of its components were two tastes of sweet and bitter, while salty and sour tastes were hardly affected. 5. The thresholds were increased or reduced, but generally they were increased in many cases and the threshold concentration reached to 2 to 4 times as high as the original one. 6. The component of "toothcream" which can cause the change of taste thresholds was found to be sodium laurylsulfate. Perfumes strongly affected particularly sweetness and bitterness, and sodium laurylsulfate influenced sweet, salty and bitter tastes; glycerin affected only sweetness. 7. It took 3 to 15 minutes to recover the activity to differentiate sweet, salty, sour and bitter tastes after cleaning teeth with commercially available "toothcream".
著者
酒井 ノブ子 篠原 冬
出版者
和洋女子大学
雑誌
大學紀要. 第2分冊, 家政系編 (ISSN:02893193)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.187-199, 1983-03-31

本報では, 中高年主婦の勤労観について, 緒言に記したような仮説を立て, 調査を試みた。その結果を要約すれば次の通りである。1) 中高年主婦の勤労観は, 本調査による限りでは, NHKの全年齢層を含む調査結果や, 著者らが行った女子青年層の調査結果と比較してみると, 女子青年層よりも意欲的で積極的な姿勢がみられたが, NHK調査の結果には及ばなかった。また, NHK調査の結果よりも自己実現志向型が多く, この点は女子青年層に近かった。さらに, 勤勉型も多かったが, NHK調査の結果にみられる程ではなく, かなり批判的な姿勢がみられた。2) 中高年主婦の中では, 中年主婦が高年主婦よりも意欲的で, また, 自己実現志向型が多かった。3) 同じく中高年主婦の中では, 有職者の方が無職者よりも意欲的で, 勤労を客観的に捉えているものが多かった。以上のように, この研究は, あくまで大都市圏にある二地区を選んでの事例研究に過ぎないが, この調査によって, ある程度, 中高年主婦の勤労観の特徴や傾向をつかむことができた。また, 仮説は一応検証できたと考えている。今後さらに, 中高年男女の勤労観の比較や, 老年男女の勤労観とその比較などについて研究を進め, 中高年主婦の勤労観についての特徴をさらに明白にしたいと考えている。
著者
鉄矢 博子
出版者
和洋女子大学
雑誌
大學紀要. 第2分冊, 家政系編 (ISSN:02893193)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.47-65, 1983-03-31

市販各種甘味料(蜂蜜, 低カロリー甘味料4種 : A-商品名シュガット・B-商品名シュガーカット・C-商品名マービー・D-商品名マイホームシュガー, 虫歯予防用甘味料 : 商品名デンタルシュガー)を砂糖の代りに使用した時, これらの甘味料は砂糖と同様の調理性を示すかを, 卵白の起泡性に対する影響を取り上げ考察した。特にスポンジケーキにおける調理効果について砂糖との比較において検討したところ次の様な結果が得られた。1. 各種甘味料は砂糖と同様, 卵白の起泡に安定性を与えた。更に低カロリー甘味料A・低カロリー甘味料B・低カロリー甘味料Dは砂糖より卵白の起泡性を高める効果がみられた。2. 低カロリー甘味料Dは共立て法の場合は起泡性を著しく低下させた。脂肪による消泡作用を受けやすい様に思われる。3. 共立て法によりスポンジケーキを作成した時, 蜂蜜・虫歯予防用甘味料を用いたスポンジケーキは砂糖のものより表面の焼き色がつきやすく, 仕上り形態はあまり良くない。しか, 味・香は砂糖同様よいものであった。4. 低カロリー甘味料A・低カロリー甘味料B・低カロリー甘味料Cを用いたスポンジケーキは砂糖のものより表面の焼き色がうすいが, 整った形をしており, 外観はよい。味・香はあまり好まれない。5. 低カロリーDを用いたスポンジケーキは他と同様の方法で作成した場合, 良い外観のものは得られなかった。甘味料を小麦粉に混ぜる方法で作成した場合は他の低カロリー甘味料と同様の外観を得ることが出来た。しかし, いずれにしても味・香はあまり好まれない。6. 甘味料を用いずに作成したスポンジケーキは官能的に最も好まれなかった。このことから, 各種甘味料は砂糖と同様スポンジケーキの品質向上に何らかの効果を与えていることが明らかとなった。7. 低カロリー甘味料を用いたスポンジケーキは, 砂糖と同程度の甘味になるように各甘味料を使用する場合は, 保存性の低いことが観察された。