著者
横溝 祐一
出版者
山口県獣医学会
雑誌
山口獣医学雑誌 (ISSN:03889335)
巻号頁・発行日
no.26, pp.1-26, 1999-12
被引用文献数
3

ヨーネ病(パラ結核)はヨーネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis)の経口感染によっておこる反芻獣の慢性肉芽腫性腸炎である.本病は肉・乳牛に対し,早期廃用や乳生産性低下,体重増加率の減少により大きな経済的損害を与える.本病は1971年に家畜法定伝染病に指定され,1981年以降次第に増加傾向にある.1997年に,農林水産省はELISA,糞便培養,ヨーニンテストを患畜摘発診断法とする全国規模のヨーネ病撲滅事業を開始し,1997年1月~1999年10月までの期間に,2,060頭が患畜として補償殺処分となった.ブルセラ病や結核病がほぼ清浄化された現在,ヨーネ病はわが国の養牛産業にとって最も経済的被害の大きい細菌性家畜法定伝染病とみなされている.糞便を介して経口感染するヨーネ病の汚染レベルは農場での乳・肉牛の衛生管理度を反映する格好の指標ともなるので,本病の徹底した清浄化プログラムを推進する必要がある.本稿ではヨーネ菌の分子生物学的研究ならびにヨーネ病の免疫学的研究成果とそれらの診断法開発への応用研究展開について紹介する.さらに,予防・経済疫学的観点にもとづくヨーネ病清浄化戦略の構築の必要性を強調する.そして最後に家畜伝染病予防法適用下でのヨーネ病清浄化の進め方と留意点を総括する.

言及状況

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編集者: 小宮山広明
2019-04-15 11:53:32 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

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