- 著者
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伊藤 博
- 出版者
- 水産庁北海道区水産研究所
- 雑誌
- 北海道区水産研究所研究報告 (ISSN:05132541)
- 巻号頁・発行日
- no.61, pp.55-64, 1997-03
北海道根室湾沿岸で春季に採取したウバガイPseudocardium sybillaeの消化管内容物を調べた。体重に対する胃内容物の割合は殻長が大きくなると増えた。胃と腸の内容物にみられたプランクトンは、珪藻綱の中心目と羽状目、黄色鞭毛藻綱の珪質鞭毛藻目、渦鞭毛藻綱のペリディニウム目、繊毛虫綱の有鐘目の各種、および藍藻類、線虫類、多毛類、甲殻類だった。消化管内のプランクトンと海水中のネットプランクトンとの符合は部分的に認められた。いっぽう、Melosira sulcataなどの底生性珪藻はネットプランクトン中に少なかったが、消化管内に多く出現した。これは沿岸性の二枚貝類が攪乱で再懸濁した餌料粒子を利用することを示唆している。