著者
許 英姿
出版者
明治大学大学院
雑誌
商学研究論集 (ISSN:1340914X)
巻号頁・発行日
no.24, pp.41-54, 2005

本稿は、mark-to-market会計を使ったエンロンの粉飾決算事例を検証し、公正価値の性質を解明しようと試みたものである。その考察の結論は以下の通りである。エンロンは、mark-to-market会計を利用することによって、取引の完成を待たずに、契約を現在市場価値で評価し、それに基づいて売上を計上していた。取引市場で参考にできる現在市場価値がない場合には、エンロン自身の見積もりによって計算される。エンロンの2000年度の利益の半分ぐらいが未実現利益である。現在市場価値の見積もりは、エンロンがコンピューターモデルなどを使い、「mark-to-model」法で予測していた。このような算式(モデル)から生まれる売上および未実現利益は、「架空の売上および利益」といえる。

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