著者
前田 経雄 土井 捷三郎
出版者
富山県水産試験場
雑誌
富山県水産試験場研究報告 (ISSN:09156542)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-9, 2006
被引用文献数
2

1988年7月、1989年5・6月、および2001年3・10月に富山湾をはじめとする日本海から採集された標本を用い、オオエッチュウバイBuccinum enuissimumの成熟サイズを推定した。本種の貝殻は薄く割れ易いため、殻長が計測できなかった個体については、蓋長径(OD)と殻長(SL)の回帰式(SL=63.859×Log(OD)-111.15、r2=0.94、p<0.001、n=281)により蓋長径から殻長を推定した。成熟度の指標には、生殖腺係数(生殖腺重量/蓋長径(3)×10(4))を用い、雄ではペニス長も併せて使用した。雌雄とも殻長90mm未満では生殖腺係数はほぼ0であったが、雄は殻長100-130mmにおいて、雌は殻長100-140mmにおいて、殻長の大きい個体ほど生殖腺係数の増加する傾向が認められた。ペニスは殻長100mmを境にして急速に大きくなり、殻長120mmでは長さが約60-110mmであった。以上のことから、オオエッチュウバイの雄は殻長100-130mmで、雌は100-140mmで成熟すると推定された。

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