- 著者
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伊藤 久美子
- 出版者
- 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
- 雑誌
- 繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.11, pp.732-741, 2007
- 被引用文献数
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1
2004年春・2005年春・2005年秋発行のファッション雑誌の写真から, 12種の形容詞に該当する2色配色が, 36~53名の女子短大生によって選出された.12種の形容詞とは, 派手な, 地味な, スポーティ, エレガント, 緊張した, ゆるんだ, ゴージャス, シンプル, 好きな, 嫌いな, 調和, 不調和である.その結果, 無彩色と有彩色の2色配色は, 選択された配色全体の46%を占めた.評価が高かった無彩色は, 殆どが白と黒であった.各形容詞から選ばれた各配色の明度差・彩度差が, 明度差を常に0以上として縦軸にとったとき, 彩度差を横軸で示すよう, 図上にプロットされた.この図示された結果を符号検定したところ, ゆるんだ, シンプルと判断された2色配色は, 明度差・彩度差の方向が同じである第一象限より, それらの方向が異なる第二象限の方にしばしば偏るという, 統計的に有意な傾向を示した.