- 著者
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山下 泉
- 出版者
- 養賢堂
- 雑誌
- 農業および園芸 (ISSN:03695247)
- 巻号頁・発行日
- vol.83, no.5, pp.560-563, 2008-05
IPM防除体型による施設栽培での新害虫コナカイガラムシの発生とその対策。高知県の促成栽培ナスや促成栽培ピーマンでは、主要害虫のミナミキイロアザミウマやアブラムシ類などに対して、タイリクヒメハナカメムシ、コレマンアブラバチなどの天敵類や防虫ネット、黄色蛍光灯などを利用した総合的な害虫防除対策が普及しつつある。このような防除体系を導入している栽培圃場において、これまでの化学合成殺虫剤を中心とした防除体系による栽培圃場では発生の見られなかったコナカイガラムシ類が1990年代後半から発生するようになり、排泄物に発生するすす病による果実や植物体の汚れ、落葉や吸汁による生育抑制などの被害が顕在化し問題となってきた。そこで、発生種および防除対策などについて検討を行った。本稿では、天敵類を利用した総合的害虫防除体系による栽培を行っている圃場で発生しているコナカイガラムシ類の発生種、促成栽培ピーマンでの発生状況と防除対策などについて述べる。