- 著者
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古瀬 徳雄
- 出版者
- 関西福祉大学社会福祉学部研究会
- 雑誌
- 関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
- 巻号頁・発行日
- no.12, pp.35-44, 2009-03
幾多の作曲家が〈アヴェ・マリア〉を作曲している.ヴェルディ(1813~1901)もその一人である.彼の《アヴェ・マリア》は高齢期の76歳の作品であり,雑誌に投稿された謎の音階に基づいた定旋律で創られている.その後,オペラの大作《ファルスタッフ》を作曲し,82歳の彼は宗教的作品《スタバート・マーテル》《テ・デウム》を完成させ,《聖歌4篇》として世に発表する.一般的には,超高齢期には枯淡の境地に入る場合も多いが,彼は落日の太陽のごとく燃え続けている.さらに造形・絵画の巨匠達にも,高齢期になって,絶妙な作品を開拓した創作家たちが存在することも判明した.そこで音楽界と美術界の高齢期における作品を抽出し,対比させ,芸術創造の特徴や共通点を考察すると,「滑稽性」「肥満性」「グループ性」「宗教性」を捉えることが考えられた.