著者
安藤 聡 島 純
出版者
農林省食品総合研究所
雑誌
食品総合研究所研究報告 (ISSN:03019780)
巻号頁・発行日
no.73, pp.31-38, 2009-03

遺伝子組換えによる酸性トレハラーゼ遺伝子(ATH1)の破壊は、冷凍生地製パン法において重要であるパン酵母の冷凍耐性を向上させる。我々は以前に、ATH1破壊が模擬的自然環境中におけるパン酵母の生存やDNA残存性を促進しないことを報告した。本研究では、遺伝子組換え酵母のモデルとしてATH1破壊株を使用し、模擬的自然環境への遺伝子組換え酵母の接種が環境中の微生物集団に与える影響について検討した。微生物集団構成については、rDNAの変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)を用いて評価した。遺伝子組換え酵母を接種した模擬環境試料中の微生物生菌数およびDGGEバンドパターンの推移は、野生型酵母を接種した試料中のそれと同等であったことから、各株が微生物集団に与える影響には顕著な差異はないものと示唆された。

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