著者
山田 輝之
出版者
千葉大学教育学部授業実践開発研究室
雑誌
授業実践開発研究 (ISSN:18848818)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.55-63, 2011-03

バングラデシュでは、非識字の問題が深刻である。バングラデシュ政府やNGOによる識字教育事業は、「事業の継続性」に課題がある。それらの事業体のみに依存し、解決を求めることは難しい。そこで「事業の継続性」の課題を解決する新しい事業体の構築のため、グラミン銀行の事業モデル「ソーシャル・ビジネス」を参考に検討を行う。グラミン銀行のグループ会社「グラミン・コミュニケーションズ」との協同による調査活動から、従来の政府やNGO の識字教育事業は、村人の識字能力獲得が目的となっており、事業終了後の雇用などの能力活用の仕組みがないことが明らかになった。ソーシャル・ビジネスによる事業体で、識字能力獲得と同時に、雇用創出など、村人にとってのインセンティブを生み出す必要性があることが判明した。今後の課題として、継続した市場調査によるデータ収集、識字教育、継続教育(生涯教育)の専門家との連携、多国籍企業等との事業提携、事業内容の充実と改善が必要である。

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こんな論文どうですか? バングラデシュ農村部における持続可能な識字教育事業体に関する基礎研究--エクラスプール村での映像を用いたワークショップを事例として(山田 輝之ほか),2011 http://t.co/7uSoQv609m

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