- 著者
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川崎 健
須加 純一
小島 祐治
武智 竜一
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.113, no.472, pp.579-584, 2014-02-27
LTEと無線LANのような異種アクセスを利用したリンクアグリゲーションでは,2つのリンクの伝播遅延時間差により,両者に振り分けたパケットの順序逆転が発生する。TCP転送の場合には,順序逆転が発生することにより,送信側Hostでパケットの再送を行い,輻輳window制御によるレート抑制が発生する。しかし,送信側HostがLinuxの場合では,順序逆転による誤再送の発生を検出し,再送の契機となるreorderingパラメタの調整およびレート復帰機能を実装しているために,順序逆転によるレート低下が発生しない可能性がある。本稿では,レート低下が発生しない環境の評価に利用するために,LTEと無線LANとのリンクアグリゲーションにおいて,送信側HostがLinuxの場合についての順序逆転発生時のレートを,TCP輻輳制御の実装を解析から推定するための定式化を行う。