出版者
農業技術研究機構果樹研究所
雑誌
果樹研究所研究報告 (ISSN:13473549)
巻号頁・発行日
no.1, pp.35-46, 2002-03

1. 果樹試験場(現果樹研究所)では1970年よりウメの新品種育成に着手し、1997年に'加賀地蔵'および'八郎'の2品種を育成し公表した。2. '八郎'は果樹試験場において、1973年に'地蔵梅'の自然交雑種子を播種して得た実生から選抜した。1983年から'ウメ筑波2号'の系統名によりウメ第1回系統適応性検定試験に供試し、1997年8月19日付けで'八郎'と命名され、'うめ農林2号'として登録、公表された。また、2000年12月22日付けで登録番号8562号として、種苗法に基づき品種登録された。3. '八郎'の樹姿は開張性で樹勢は中位、短果枝の着生は多く、花芽も多い。花は一重咲きで花弁は白色、花粉は多く、自家結果性で収量は多い。開花期は中位である。収穫期は6月20日頃となり、'南高'より1週間以上早い中生品種である。4. 果実は円形ないしは短楕円形で、果実重は20gとやや小さめの中ウメである。果面の赤い着色は見られない。核の大きさは2g前後、核重率は10%程度である。ヤニ果の発生は極めて少ない。滴定酸度は4.5~5%程度と中位である。梅干し品質は比較的良好で、梅干し加工に適する。

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