出版者
農業技術研究機構果樹研究所
雑誌
果樹研究所研究報告 (ISSN:13473549)
巻号頁・発行日
no.2, pp.113-126, 2003-03

1. モモ第7回系統適応性検定試験は'モモ筑波109号'から'モモ筑波117号'の9系統を供試し,全国24の公立試験研究機関の参加により平成4年度から平成13年度まで実施された。2. 'モモ筑波109号'は'ちよひめ'よりやや遅く収穫される白肉の極早生系統として供試された。着色が多く外観良好で,極早生系統としては食味も優れるものの,'ちよひめ'よりやや遅く収穫され果実もやや小さいなどの理由から本系統は平成13年度で試験中止と判断された。3. 'モモ筑波110号'は'あかつき'より1週間程度早く収穫される白肉の早生系統として供試された。'あかつき'より果実が大きくなるものの,収穫期が同時期となり,食味も劣るなどの理由から本系統は平成11年度で試験中止と判断された。4. 'モモ筑波111号'は果実肥大が良好で食味も優れ'あかつき'よりやや遅く収穫されることから平成11年8月13日に'なつおとめ'と命名され,もも農林23号として登録された。5. 'モモ筑波112号'は'あかつき'より1週間程度遅く収穫される白肉の中生系統として供試された。'あかつき'より果実が大きくなり,甘味も同程度あるものの,収穫は遅くなり,果実が三角形になるなどの理由から本系統は平成8年度で試験中止と判断された。6. 'モモ筑波113号'は遮光袋を用いた栽培ではきれいな白色の外観となり,果実も大きくなり着色抑制栽培用品種として有望であることから平成13年10月9日に'白秋'と命名され,もも農林24号として登録された。7. 'モモ筑波114号'は'ちよひめ'より10日程度遅く収穫される黄肉の早生系統として供試された。'ちよひめ'より果実が大きくなるものの,収穫が遅くなるのでその時期としては小玉となり,食味もあまり差がないなどの理由から本系統は平成10年度で試験中止と判断された。8. 'モモ筑波115号'は'あかつき'より1週間程度遅く収穫される黄肉の中生系統として供試された。果実は大きくなるものの,やや甘味が不足し淡泊な食味となるなどの理由で本系統は平成11年度で試験中止と判断された。9. 'モモ筑波116号'は'ゆうぞら'と同時期に収穫される黄肉の晩生系統として供試された。甘味が多く食味は優れるものの,果実が小さいなどの理由で本系統は平成11年度で試験中止と判断された。10. 'モモ筑波117号'は無袋栽培でも果肉内および核周囲に紅色素が入らず,半不溶質の肉質で缶詰製品の品質も良好であることから平成9年8月19日に'もちづき'と命名され,もも農林22号として登録された。

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