出版者
琉球大学農学部
雑誌
琉球大学農学部学術報告 = The science bulletin of the College of Agriculture, University of the Ryukyus (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
no.56, pp.49-54, 2009-12

沖縄におけるアリの生物的害虫防除への利用に向けた第一歩として、沖縄島の7ヶ所の圃場(そのうち6つはハウス)におけるアリ相と個体数の季節変動を約1年間調べた。ピットフォールトラップ法を用いて圃場の中とすぐ外の屋外環境で調査を行った。栽培作物はラン、ドラゴンフルーツ、ナス、ゴーヤ、サトウキビ、ピーマンであった。屋外、ハウスに限らずアリ類は気温が低い1月から3月は採取個体数・種数ともに少なく、気温が高い5月〜10月にかけて採取個体数・種数ともに多かった。栽培作物によるアリ相に大きな違いはみられず、オオシワアリ、タロヒメアリ、ブギオオズアリ、ミナミオオズアリの遍在性が高く個体数も多かった。沖縄島の圃場でアリを害虫防除資材として利用する場合、これらの種が高温期に利用できる可能性があると考えられる。その一方で優占種の多くは外来の放浪種であり、利用時にはその侵略性のリスクの検討も必要である。

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