著者
猿渡 隆夫
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-05-19

1.予測方法 多くの地震を解析した結果、台風が温帯低気圧になる時や低気圧が発達する時、激しい下降気流が発生し、地面・水面に当たった地点で、数か月後、地震が発生していることが分かった。下降気流が当たった地点では、最大瞬間風速の増加が認められた。また衛星画像では、雲の無い領域として写っていることが分かった。1)数ヶ月から数年ぶりの最大瞬間風速が記録された地点で地震発生の可能性が高い。2)地震の大きさは、強風域の幅または雲の無い領域の幅が震源域の幅と一致することから、推測できる。3)強風日から1週間から7ヶ月後位に地震が発生する。4)震央近傍の風向が、メカニズム解の軸と一致する。2.予測方法の実証 2010年地震学会で予測方法を発表以降、2011東北沖地震など、多くの予測例・解析例があり、この予測方法が実証されたと考えている。3.2016年4月7日の発達した低気圧からの地震予測 前線を伴った低気圧が日本海を進み、東北付近を通過して、夜には三陸沖へ。全国的に雨となり、西日本や東日本で南寄りの風が強く吹いた。 熊本県阿蘇山では午前09:53に最大瞬間風速43.9メートル(南南西の風)(2007年以来9年ぶり)が観測された。また、長崎県では、長崎で最大瞬間風速29.3メートル(南風)、雲仙岳で35.2m/s(南西の風)が観測された。4月1位の記録が更新された。 予測方法に基づき、雲仙岳から阿蘇山付近にかけて地震の可能性があると予測された。発生時期は1週間後から7か月後と予測され、7日後に発生した。4.2016年熊本地震4月14日 21時26分 熊本県熊本地方 M6.5 4月16日 01時25分 熊本県熊本地方 M7.3 5.詳細解析と結論 別表・別図に気象庁の熊本県・大分県の全観測地点の4月7日の最大瞬間風速を示した。赤字は最大瞬間風速が高い地点である。別図の赤枠は、気象庁作成の震央分布図の枠である。阿蘇山の南西から北東にかけて、最大瞬間風速が周辺と比べて高い領域がある。この領域は、別図に示した気象庁作成の震央分布図(赤枠)とほぼ一致している。すなわち、他の多くの地震同様、地震発生前の最大瞬間風速等から、地震の発生場所と地震の大きさを予測することができる。 マントル対流や活断層が地震の原因ではなく、下降気流の強風が地震の原因と考えるべきである。 参考文献1. http://www2.jpgu.org/meeting/2011/yokou/MIS036-P85.pdf2. http://www2.jpgu.org/meeting/2015/PDF2015/S-CG56_P.pdf

言及状況

Twitter (5 users, 5 posts, 9 favorites)

日本地球惑星科学連合2016年大会/<strong>2016</strong><strong>年熊本地震の予測</strong> https://t.co/EBDPA5soqa 強風で地震が起きたとかやばすぎでしょ()
ところでこのポスターセッションでは、 「2016年熊本地震の予測」猿渡隆夫(所属:なしw)が香ばしい。 https://t.co/ROvWfQnK1k この人、ずーっと言い続けてるみたい。 https://t.co/r2YVqt8TTJ @engeikana

収集済み URL リスト