著者
宮田 千聖 湯川 進太郎
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.1-12, 2013-03-31 (Released:2017-07-30)
参考文献数
20

サイコパス臨床群には感情情報処理に問題があり,中性情報よりも感情情報が記憶されやすい感情バイアスが生じないことが報告されている。本研究では,このサイコパス臨床群と同様の記憶における感情バイアスの低下が,サイコパシー傾向の高い健常者でも生じるという仮説を検討した。一次性・二次性サイコパシー尺度に回答した45名の大学生を対象に,記憶における感情語の影響を測定する感情記憶課題を行った。その結果,先行研究と一致して,高サイコパシー群は低サイコパシー群より感情バイアスが低下していた。さらに,高サイコパシー群に見られた感情バイアスの低下は,ポジティブ感情に顕著に見られた。これらの結果より,サイコパシー特性を持つ健常者でも臨床群と同様に感情情報処理に問題があることが示されただけでなく,サイコパシー特性はポジティブ感情を伴う記憶に影響する可能性があることが示唆された。
著者
宮田 千聖 湯川 進太郎
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.1-10, 2014-01-31 (Released:2017-07-30)
参考文献数
31

本研究は,サイコパシー特性と自伝的記憶の想起特性との関連を検討することを目的とした。大学生172名を対象に,質問紙調査を行った。記憶特性質問紙を用いて,感情的にポジティブ,ネガティブ,中性な自伝的記憶の想起特性の評定を求めた。同時に,日本語版一次性・二次性サイコパシー尺度を用いて,感情・対人関係面の特徴を表す一次性サイコパシー(PP)と,行動面の特徴を表す二次性サイコパシー(SP)の評定を求めた。その結果,PP特性が高いと,時間情報や知覚的感覚を鮮明に想起するというような,ポジティブな自伝的記憶の想起に及ぼすポジティブ感情の影響が弱かった。また,SP特性が高いと,出来事を何度も想起し,意味を見いだす傾向が低かった。さらに,PPとSPのいずれにおいても,サイコパシー特性が高いと,出来事の明確性が低かった。これらの知見から,サイコパシー特性が自伝的記憶に影響を及ぼすことが示唆される。
著者
宮田 千聖 湯川 進太郎
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.1-12, 2013

<p>サイコパス臨床群には感情情報処理に問題があり,中性情報よりも感情情報が記憶されやすい感情バイアスが生じないことが報告されている。本研究では,このサイコパス臨床群と同様の記憶における感情バイアスの低下が,サイコパシー傾向の高い健常者でも生じるという仮説を検討した。一次性・二次性サイコパシー尺度に回答した45名の大学生を対象に,記憶における感情語の影響を測定する感情記憶課題を行った。その結果,先行研究と一致して,高サイコパシー群は低サイコパシー群より感情バイアスが低下していた。さらに,高サイコパシー群に見られた感情バイアスの低下は,ポジティブ感情に顕著に見られた。これらの結果より,サイコパシー特性を持つ健常者でも臨床群と同様に感情情報処理に問題があることが示されただけでなく,サイコパシー特性はポジティブ感情を伴う記憶に影響する可能性があることが示唆された。</p>