著者
影山 貴彦
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.17, pp.91-99, 2010-07-10

映画「ディア・ドクター」。昨年、2009年に劇場公開されたこの作品は極めて高い評価を各界より受け、多くの賞を受賞している。本論文においては、「ディア・ドクター」を題材として取り上げ、作品がより優れたものになった大きな理由として「笑い」を掲げ、その仮説提起によって論を進めたものである。作品の原作・脚本・監督を手がけた西川美和、そして本作品で主演を務めた老若男女を問わず人気を博している芸人・笑福亭鶴瓶という二人をキーワードに据え、互いを具に考察するなかで、両者の出会い、キャラクターの絡み合いが、映画に独特の化学反応とも呼ぶべき相乗効果を生み出したと唱えている。また、作品における「脚本・演出の笑い」と「演者のアドリブの笑い」についても言及し、それぞれの「笑い」の存在が反発することなく融合したことにより、作品に極めて効果的な深みを生み出す結果となった、と展開させている。
著者
影山 貴彦
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.91-99, 2010-07-10 (Released:2017-07-21)

映画「ディア・ドクター」。昨年、2009年に劇場公開されたこの作品は極めて高い評価を各界より受け、多くの賞を受賞している。本論文においては、「ディア・ドクター」を題材として取り上げ、作品がより優れたものになった大きな理由として「笑い」を掲げ、その仮説提起によって論を進めたものである。作品の原作・脚本・監督を手がけた西川美和、そして本作品で主演を務めた老若男女を問わず人気を博している芸人・笑福亭鶴瓶という二人をキーワードに据え、互いを具に考察するなかで、両者の出会い、キャラクターの絡み合いが、映画に独特の化学反応とも呼ぶべき相乗効果を生み出したと唱えている。また、作品における「脚本・演出の笑い」と「演者のアドリブの笑い」についても言及し、それぞれの「笑い」の存在が反発することなく融合したことにより、作品に極めて効果的な深みを生み出す結果となった、と展開させている。