3 0 0 0 OA 虫豸写真

著者
〔水谷豊文//画〕
出版者

昆虫の彩色写生図帳。元表紙の書名は『虫豸写真』で、「水谷豊文翁自筆」と角書がある。水谷豊文(1779-1833)は尾張藩士で、京都の小野蘭山(1729-1800)に本草学を学び、本草学の研究会「嘗百社」を結成・主宰して、すぐれた弟子を育てた。元表紙には、弟子のひとり伊藤圭介(1803-1901)によって「鉤致水谷先生ノ手写蟲譜ニシテ精巧真ニ逼ル錦窠百珍之一」と墨書され、「永世保存⁄錦窠物産庫⁄禁出門外」という朱印が押されている。「錦窠」は圭介の号。また、元表紙見返しの明治35年8月付伊藤篤太郎(圭介の孫)の識語には、書中に貼付されている名称等を記した小紙片は豊文によるものであり、これに自身追加記入をしたと記されている。