著者
アルボーン エリック
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.346-351, 1997
被引用文献数
1

イギリスでも日本でも科学技術が生活や考え方を大きく変えているのに, 理科の学習は日常性がなくつまらないと感じている生徒が多い。どうしたら理科教育を意味あるものにできるのだろうか。それぞれ文化と歴史が異なる両国には共通の事柄もたくさんあり, お互いに学び合える部分がある。両国とも学校の主要カリキュラムの変革期にあり, その流れはお互いの長所を高く評価し合っている一方, 高く評価しすぎの面もあるかもしれない。本稿では, 日英間で創造的な教師と生徒達同士が交流を持てば多くのことが学べ, またそうした関係作りの最初の段階についていくつか説明する。イギリス側から紹介できる重要な実践例は, 幅広い現場にいる科学者やエンジニアの協力を得ながら, 生徒をある程度まで実際の科学研究に取り組ませるのが目的の「生きた科学」に焦点をあてた実践である。将来, 生徒がプロの科学者になってもならなくても, こうした科学研究の体験は全ての生徒に理科学習に対する意味と意欲をもたらすだろう。
著者
岡野 透 アルボーン エリック
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.702-705, 2004
参考文献数
9

英国ではクリフトン科学トラストによって新しい探究学習が提唱されている。学校は科学者との連携を持つことにより,科学授業をもっと興味深い,意味のある,刺激的なものとすることが可能となる。実施されている小学校,中学校,高校レべルにおけるサイエンスパートナーシッププログラムを紹介すると共に,将来の日英での探究学習のあり方を考える。連携探究学習から恩恵を受ける生徒はもちろんであるが,21世紀の情報科学社会の中で科学教育が果たすべき使命,科学リテラシーを持った一般市民の育成,科学者と社会との関連が今後の連携科学探究教育の根幹である。