著者
ウェイジャー エリザベス
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.443-450, 2014-10-01 (Released:2014-10-01)
参考文献数
24
被引用文献数
1

研究や出版分野における不正行為は今に始まったことではないが,情報技術の発達は出版倫理に大きな影響を与えた。コンピューター•ソフトは,不正行為(剽窃や画像処理等)を容易にさせたが,一方でその不正行為を検出するツールとしても役立つ。また,電子出版により,訂正や撤回文を対象論文に直接リンクすることにより,読者へ問題に関する警告を出すことも可能とした。しかし,強力なツールが利用できても,疑いのある不正行為を扱うには,慎重な判断が必要である。したがって,ジャーナルや機関は,さまざまな状況に備え,適切なポリシーと対処手順を策定しておくべきである。The Committee on Publication Ethics(COPE:9,000以上のジャーナルがメンバーとして参加する国際機関)は,不正行為に関する多様な問題について助言する情報源の1つであり,本稿ではその活動について述べる。不正が疑われる,あるいは明らかにされた場合には,ジャーナルと機関が協力して対処することが重要である。最近,日本の機関が協力して効果的な調査が行われた事例を紹介する。
著者
ウェイジャー エリザベス
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.443-450, 2014

研究や出版分野における不正行為は今に始まったことではないが,情報技術の発達は出版倫理に大きな影響を与えた。コンピューター•ソフトは,不正行為(剽窃や画像処理等)を容易にさせたが,一方でその不正行為を検出するツールとしても役立つ。また,電子出版により,訂正や撤回文を対象論文に直接リンクすることにより,読者へ問題に関する警告を出すことも可能とした。しかし,強力なツールが利用できても,疑いのある不正行為を扱うには,慎重な判断が必要である。したがって,ジャーナルや機関は,さまざまな状況に備え,適切なポリシーと対処手順を策定しておくべきである。The Committee on Publication Ethics(COPE:9,000以上のジャーナルがメンバーとして参加する国際機関)は,不正行為に関する多様な問題について助言する情報源の1つであり,本稿ではその活動について述べる。不正が疑われる,あるいは明らかにされた場合には,ジャーナルと機関が協力して対処することが重要である。最近,日本の機関が協力して効果的な調査が行われた事例を紹介する。