著者
ウルフ スティーブン
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.557-564, 1994-10-01 (Released:2008-05-30)

本稿はNetWorld+Interop 94 Tokyo における基調講演「国家的情報基盤 (NII) の整備の進展について」を編集, 収録したものである。全米科学財団 (NSF)で研究用のネットワークの拡大, そしてインターネットの促進に携わってきた経験を基に, NII構想の歴史, その構築の意義, 今後のあるべき方向性, 構築の際の諸問題について述べた。ブッシュ政権の頃から現在まで広く政府の中で支持されてきたNII構想は, 共有財産としての知識の拡大がその目的であり, 民主主義のメモファーとも言えるものであるとして, オープン·データ·ネットワークを基礎概念としてインターネットを核に, 知識の共有の拡大と誰もが使える開放性を目指さなければならないと説いた。またそのために乗り越えなければならないプライバシーの保護, 知的所有権などの諸問題についても触れている。