論文(Article)ビョーク『オール・イズ・フル・オブ・ラブ』につけられた、クリス・カニンガムによるミュージック・ビデオの孕む意味を探った論考。このMVでは、ビョークの顔を持った二体のアンドロイドによる性愛の行為(の模倣)が描かれる。一見、それは、機械が人間的なもののすべてを簒奪することの隠喩のように見える。それはそうなのだが、人間が機械の一部として従属的な存在と化されつつある現状の進み行きのなかで、それを軍事的で「男性的」な攻撃性の方向にではなく、より平和的な共存の方向へと導くためのひとつの方向性を示すものと捕らえることができる。つまり機械に「女性的」な愛を帯びさせようとする試みであると読むことができるわけである。The music video which was directed by Chris Cunningham for the Björk's song "All is Full of Love", tries to show us the scenes where machines are tries to replicate human attributes such as love or pleasure. It could be interpreted as to show the way to make human attributes survive among the machines at the time when every humanness is subordinated to machines.