著者
大愛 崇晴 オオアイ タカハル Oai Takaharu
出版者
同志社大学人文学会
雑誌
人文学 (ISSN:04477340)
巻号頁・発行日
no.194, pp.392-364, 2014-11

本稿は、17世紀イギリスの音楽理論家トマス・サモン(1648-1706)による、純正律で演奏可能なヴィオルの構想について論じたものである。その構想は、科学者団体であるロンドン王立協会主催の演奏会において実現するに至ったが、ピュタゴラス以来の思弁的な数学的音楽理論の伝統にのっとりつつも、演奏実践や聴覚的な快を重視する彼の姿勢には、同時代のイギリスにおける経験主義的な思潮が反映されているものと思われる。p.376, l.2の表記に誤りあり。(誤)「ガスパーロ」→(正)「ガスパロ」