著者
クイン ヘレン 坂東 昌子
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.881-885, 2005-11-05

ヘレン・クイン(Helen Quinn)さんは, 2004年の米国物理学会の会長だった方である.その前年も女性(Myriam Sarachik)が会長だったので, 米国物理学会では2年連続して女性が会長だった.ヘレンさんは, 昨年10月7日東大駒場で開かれた男女共同参画学協会連絡会設立2周年記念シンポジウムで講演されるはずだったが, 折悪しくお父上を亡くされ, 来日が不可能になってしまった.そのため当日は急遽, 筆者が講演内容を紹介することになった.ここに紹介するのはそのときの予稿ともいうもので, シンポジウム当日参加者に配布された資料集(品切)に原文とその訳が並べて収録されていたものである.今回, 男女共同参画学協会連絡会(http://annex.jsap.or.jp/renrakukai/)の許可を得て, ここに再録することにした.日本語訳は坂東が担当したが, 男女共同参画推進委員会の委員の方々や, コメンテーターの方に, わからないことを教えてもらった.ここでお礼申し上げる.なお, 彼女は本年京大基研に来られる予定があり10月17日には京大女性教員懇話会も協力して公開講演会が開かれる.昨年の男女共同参画学協会連絡会設立2周年記念シンポジウムでのヘレンの講演原稿に勇気づけられた人は多い.物理学がより豊かな発展に向けて羽ばたくために, 女性がどのように活躍するのか, そしてそれがどのようにして可能になるのか, その一端を知ることができるのではないだろうか.世界物理年を迎えた今年, この機会に, 講演内容を学会誌に再録するのも意義深いのではないか, そう考えて, このたび紹介することとした.(坂東昌子)