著者
コンラッド クリフトン F. ジョンソン ジェイスン
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 = Educational Studies (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
no.50, pp.103-118, 2008-03-31

自由な学術の教育を促進するにはどうすべきか.有力なアイデアは,現存の文献にも多数見いだされ自由な学術の教育を促進するにはどうすべきか.有力なアイデアは,現存の文献にも多数見いだされるが,しかしリベラルアーツ教育論には三つの大きな弱点がつきまとっている.第一に,リベラルアーツ教育論は,個々の大学の多様な事情を抜きにした,万能な解決策で満ちあふれている.第二に,リベラルアーツ教育論は,カリキュラムの変容過程に比して,カリキュラムの内容の方を法外に重視することで,焦点の中心がズレている.第三に,リベラルアーツ教育論は,歴史的な試みに無頓着である.こうした事情を踏まえて構築された本論は,自由な学術の教育の改革において,有意義な改善と革新とを導くための,三つの試金石を提示する.第一は,変容的な改善という運動を奨励すること.続いては,将来性のある定義や実践を探求し続けること,そして最後に,形成的な評価に照らして,カリキュラム・モデルを実験し,改造してゆくことである.