著者
斉藤 悦子 川谷 旺未 サイトウ エツコ カワタニ アキミ Etsuko SAITO Akimi KAWATANI
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要
巻号頁・発行日
vol.38, pp.54-72, 2017-03-31

1860年、南北戦争開戦前夜のアメリカに幕末の日本から遣米使節団が訪れ、そのワシントン到着の様子はニューヨークの主要メディアでも大々的にとりあげられた。その中でもふんだんなイラスト付きで報じたハーパーズ・ウィークリー紙には、一般的な記事のほかにも、風刺漫画や漫談風の記事なども掲載された。本稿は1830年代からアメリカジャーナリズムの中でひとつのジャンルとして人気のあった、架空の「田舎者」的人物がなぜか歴史的瞬間に立ち会って親戚に見聞録の手紙を送る、というスタイルのコラムを訳出、注釈したものである。判読の難しいvernacularで書かれた時事放談を、まず判読して標準英語に直し、注をつけて日本語に訳出した。遣米使節団がニューヨークの庶民に向かってどのように伝えられたか、という資料として紹介したい。 On the Japanese Embassy's arrival in Washington in 1860, various media in New York responded with cover stories and feature articles. In the May 26th issue of Harper's Weekly, a vernacular parody, based on the "Major Jack Downing" letters created by Seba Smith in the 1830s, appeared as a nearly identical letter home written by Major Downing's nephew Benjamin. It is a Forrest Gump-ish account of a young lad suddenly chosen as the master of ceremony to receive the Foreign Embassy. This vernacular letter displays much of how the general public felt on their first contact with the Japanese. Since the vernacular style is difficult to encode and the text is full of political connotations specific to the eve of Civil War, it may be worthwhile to annotate and translate it into Japanese as a source for research on the Japanese Embassy of the Manei era in the late Edo period.
著者
斉藤 悦子 川谷 旺未 サイトウ エツコ カワタニ アキミ Etsuko SAITO Akimi KAWATANI
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要
巻号頁・発行日
vol.38, pp.54-72, 2017-03-31

1860年、南北戦争開戦前夜のアメリカに幕末の日本から遣米使節団が訪れ、そのワシントン到着の様子はニューヨークの主要メディアでも大々的にとりあげられた。その中でもふんだんなイラスト付きで報じたハーパーズ・ウィークリー紙には、一般的な記事のほかにも、風刺漫画や漫談風の記事なども掲載された。本稿は1830年代からアメリカジャーナリズムの中でひとつのジャンルとして人気のあった、架空の「田舎者」的人物がなぜか歴史的瞬間に立ち会って親戚に見聞録の手紙を送る、というスタイルのコラムを訳出、注釈したものである。判読の難しいvernacularで書かれた時事放談を、まず判読して標準英語に直し、注をつけて日本語に訳出した。遣米使節団がニューヨークの庶民に向かってどのように伝えられたか、という資料として紹介したい。