著者
サンシェズ エリー 山川 烈
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.3, no.11, pp.23-33, 1989-11-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
14

この解説は, 医療診断問題におけるファジィ集合論を読者に紹介することを目的とする. 患者の診断にグレードをつけるような, きわどい問題を処理する一般的な方法論を, 具体的な例を用いて説明する. ここで使用する医学的知識は, 言葉で記述された表である. 検査結果の属性と診断の間の関係は, 数値で表されるものではなく, 可能性分布とみなすことのできるファジィ集合 (もっと厳密に言えば, ファジィ・インターバル) のラベルで表現される. ここでは, 可能性測度をどのように用いるか, また検査データから診断を導くのにその可能性測度をどのように組み合わせるかについて述べる.