- 著者
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内山 智裕
Sruamsiri Pittaya
Jarupanthu Chantaree
内山 智裕
スワムシリ ピタヤ
ジャルパンツ チャンタレー
- 出版者
- 三重大学大学院生物資源学研究科
- 雑誌
- 三重大学大学院生物資源学研究科紀要
- 巻号頁・発行日
- no.37, pp.19-30, 2011-02
タイは世界最大のパイナップル生産国であるが, 日本への生鮮パイナップルの輸出量は極めて小さい。本論では,タイ産生鮮パイナップルの対日輸出拡大の可能性を探るべく,消費者に対するアンケート調査およびパイナップル市場に関する統計と専門誌レビューによる整理分析を行った。その結果は以下の通りである。①消費者はタイ産「ベビーパイナップル」の食味を概ね評価しているが,価格評価は高くなく,売上拡大の可能性と課題を有している。②タイ産パイナップルの対日輸出を見ると,缶詰や果汁では支配的な地位を占めているが,缶詰の国内市場は縮小傾向にある。③データは不足しているものの生鮮パイナップル流通では一部の企業が寡占的な位置を確立しており,シェア拡大のためにはこれらの企業と提携が重要となることが明らかになった。2007年の日タイEPAの計画の1つは,農業の持続的発展および食の安全性確保に向けた協力の促進である。 企業間の連携だけでなく,共同研究による日タイ間の協力の推進も必要であるといえる。