著者
新本 史斉 ヒンターエーダー=エムデ フランツ
出版者
津田塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

「長編小説」の枠からはみ出し、最終的には、掌大の紙片数百枚に鉛筆書きの極小文字で書きつけられるまでに至るローベルト・ヴァルザーの散文作品は、現代ドイツ語文学屈指の、高度な複雑性を抱えた、過激な文学実験となっている。本研究においては、ヴァルザーのテクストに潜在している批評可能性を、英・仏・日本語の翻訳テクストの比較分析、諸言語への翻訳者との討論、さらには、これまで未邦訳であった作品の日本語への翻訳実践を通じて明らかにしている。