著者
モリス ポール 三宅 康幸 古山 勝彦 ペレス パブロ
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩鉱 : 岩石鉱物鉱床学会誌 : journal of mineralogy, petrology and economic geology (ISSN:09149783)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.442-452, 1999-11-05
被引用文献数
4 5

島根県東部中海の若い盾状火山である大根島の玄武岩について全岩の主要元素・微量元素·同位体組成を分析した。K-Ar年代は第四紀の約20万年前の噴出を示している。層準ごとのサンプルの化学組成の変異は,これらがすべて同一の玄武岩質親マグマ(100 Mg/(Mg+Fe)∼56, Ni 101-160 ppm, Cr 110-226 ppm)からの分化物であることを示している。SrとNd同位体組成からは,全地球組成に近い均一な起源物質が示される。初期のマグマは後期よりも低い溶融程度で生じ,より若い溶岩の間の化学的変異は,異なる溶融程度といくらかの地殻物質混合とにより説明される。