著者
ネスミス キャシー ラドクリフ サラ 山元 貴継[訳] 神谷 浩夫[訳]
雑誌
空間・社会・地理思想 (ISSN:13423282)
巻号頁・発行日
no.4, pp.94-108, 1999

近年盛んになりつつある女性と自然、環境をめぐる言説は、環境フェミニズムあるいはエコズムという総称でくくられる。現境問題に対する地理的アプローチを発展させるために、環境フェミニズムによって提起された諸問題に対する批判的検討が行なわれる。地理学の読者に対して環境フェミニズムの原理を手短かに紹介したのち、将来の地理学的研究のための三つの領域が概述される。それは、第1に自然と文化、ジェンダー、第2にグローバルな開発と環境とのジェンダー化された関係、第3にジェンダー化された景観とアイデンティティの問題である。とくに、フェミニズム地理学と文化地理学的考察は、環境フェミニズムのアプローチの将来的な発展に対して重要な扉になると主張される。