著者
赤山 仁 リー ジョナサン
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

CGアニメーション作品「12 Boxes」は赤山仁(ディレクター、CG担当)及びジョナサン・F・リー(サウンド・デザイン担当)により制作された、2分18秒のショートアニメーションである。アニメーションは3DCGソフトウェアのAutodesk「MAYA」を用いて制作した。本作品は12個の立方体が複数の装置によって次々と運ばれていく、シンプルな内容で構成されている。本作品のテーマは「心地良い動きの表現」である。鑑賞者が作品に心地良さを感じられるように、12個の立方体を運ぶ装置の動きの演出や映像構成を行った。装置の動きを決める上で、基準として4つのルールを考えた。①動きの機能と構造の認知、②動きのリズム感、③動きの連続性、④動きの意外性、の4点である。これらの動きのルールを用いて作品を制作することで、「心地良い動きの表現」を目指した。本稿では、作品制作に用いた動きのルールや映像構成、サウンド制作の解説を通して、動きのデザインを行う上での視点を提示したい。鑑賞者が動きを見てどのように感じるかを想定してルール化し、実際に作品として形にしていく過程を紹介することで、動きのデザイン手法を提示する。